こんにちは。シンママナースにゃん子です。
看護の現場で次勤務者におこなう「申し送り」ですが、最近ではこの「申し送り」を廃止する病院が少しずつ増えていることはご存知でしょうか。
筆者の働く病院では、業務改善の取り組みとして「申し送り」が廃止されました。
「申し送り」を廃止した結果、デメリットよりメリットの方が大きいと感じました!
この記事では、
「申し送り」を廃止して感じたメリットとデメリット
について紹介します。
申し送りはいらない!廃止に至った経緯
筆者の勤務している病棟では、前残業が昔から定着していて、”前残業して当たり前”という風潮でした。
前残業って看護業界では当たり前ですよね。
早い人では、業務開始の1時間前に病棟にきていました。
そして、業務開始30分前には、ほとんどの人が出勤しており、前残業が当たり前の状況でした。
PNSが取り入れられ、ペアで患者を担当する分、受け持ち患者数が12人と多いので、前残業で情報収集しないと時間が足りなかったんです。
そんな時、勤務異動でやってきた看護師長が、この長年続く前残業を問題視し、病棟の業務改善に取り組んでくれました。
申し送りが長すぎる!本当に必要な申し送りなのか?
情報収集と点滴準備の時間を確保する代わりに、夜勤帯→日勤帯への全体申し送りは廃止します!
前残業でしていた情報収集と点滴準備の時間を業務時間内で確保します!
PNSを廃止し、1人当たりの受け持ち患者数を減らします!
簡単にいうと、
●ダラダラしていた申し送りを思い切って廃止
●情報収集と点滴準備の勤務時間で確保
●受け持ち患者数を減らす
受け持ち患者数が12人と多すぎることが情報収集に時間がかかる原因になっていたので、PNSのやり方を変更し、受け持ち患者数を平均6人程度となるようにしました。
この結果、朝の30分が劇的に変化したんです!!
- 8:30管理者が前日の患者状況の申し送り(病態の申し送りはなし)
看護部からのお知らせなど夜勤者からの全体申し送りは廃止!
日替わりリーダーが患者全員の検査・受診予定を読み上げることも廃止!
- 8:40情報収集と点滴準備(10分間)
この時間のナースコール対応は、夜勤者で実施!
- 8:50患者カンファレンス
- 9:00夜勤者からPHSを受け取り、点滴ダブルチェック
朝の清潔ケア
今までは、夜勤者から朝の全体申し送りに10分以上かかっていたので、その時間が短縮となったのが大きな変化でした。
また、情報収集と点滴準備の時間が10分間と短いようにも感じますが、受け持ち患者数が平均6人に減ったので、10分あれば余裕で情報収集できます。
そして、このタイムスケジュールで1ヶ月取り組んだ病棟スタッフの意見は、「今後も続けたい」という意見が100%でした。
30分前に出勤していた筆者ですが、現在は10分前出勤になりました!
他のスタッフも出勤時間は以前よりも遅くなっています。
こんな経緯で、筆者の勤務する病棟では、「申し送り」が廃止になりました。
それでは、「申し送り」が廃止になって感じたメリット・デメリットについてお伝えしていきます。
申し送り廃止のメリット!
まず、「申し送り」が廃止になって感じたメリットについて、お話しします。
先にお伝えしますが、「申し送り」廃止の1番のメリットは、無駄な時間の短縮です!
やっぱり無駄だった長い申し送りの時間
今は電子カルテの時代で情報収集が簡単にできるので、「申し送り」ってやっぱり無駄だと思うんです。
看護師なら1度は感じたことがあるのではないでしょうか?
申し送りが長すぎる!!
「申し送り」って長い人は長いんですよ。
入院した経緯から夜勤中の様子を物語かのように伝える人、絶対にどの病院にもいますよね。
重症患者が多いと申し送りに20分くらいかかることもあり、正直だるくなってしまいます。
実際に申し送りを廃止して分かったことは、申し送りがなくても大きな支障はないってこと。
つまり、あの朝の申し送りの時間は無駄だったんだと実感しました。
「申し送り」がなくても自分で情報をとるので何にも困ったことはありません。
疑問に感じたことは、夜勤者に直接聞けばいいし。
筆者の職場の場合は、「申し送り」時間が、「情報収集」時間に変わったので、その分早く出勤する必要がなくなり、朝ゆっくりできるようになったのが、1番のメリットでした。
夜勤の時も、申し送りのため準備時間がなくなったので楽になりましたよ。
申し送りのプレッシャーからの解放
「申し送り」といえば、夜勤者の最後の大きな仕事。
若い頃は、「申し送り」が嫌で嫌で仕方ありませんでした。
先輩看護師からの突っ込みやシラッとした空気が苦痛でしょうがない時代がありました。
今は、簡潔に申し送りできるようになり、年齢とともに肝が座ったので余裕ですけど。
申し送りが苦手な人にとっては、あの嫌な「申し送り」の時間から解放されるという大きなメリットがあります。
とくに若い看護師は、申し送りがなくなってホッとしているみたいです。
受け持ち以外の患者の把握がしにくくなるというデメリットも!
「申し送り」の廃止は、時短になるという大きなメリットがありましたが、デメリットと感じることもありました。
それは、受け持ち以外の患者の情報が分からなくなるということです。
朝のケアで、受け持ちでない患者のケアに入った時、夜間に状態悪化があったことを知らなかったので、前日と激変した状態にかなり驚きました。
「申し送り」がないと、自分の受け持ち患者以外の情報が入ってこないので、「全然知らなかった」ってことがよくあります。
そのため、重症患者や要注意患者の状態把握を、自分で積極的にしていかなければならなくなりました。
筆者の場合は、空き時間に、担当患者以外のカルテを見て状態把握をしています。
「申し送り」廃止のデメリットは、受け身ではなく積極的に情報収集することでカバーできます!
また、自分の受け持ち患者の状態が悪化している時や夜間に急変があった時は、他メンバーに情報共有することで、このデメリットは解決できるのではないかなと思います。
コミュニケーションが密にとれる病棟の風土があれば、「申し送り」を廃止してもデメリットはないかもしれません。
新人が申し送りができない看護師になる可能性も・・
「申し送り」廃止のデメリットとして、もう一つ考えられることが、若手看護師の成長が滞ってしまうことです。
新人看護師は夜勤業務ができるようになると、次は「申し送り」デビューという儀式がありました。
若い時は、申し送りが簡潔に分かりやすくできるよう、先輩の申し送りの仕方を真似して勉強していたものです。
つまり、
分かりやすく申し送りができる=患者の状態を把握できている
ということなんです。
筆者の場合は、申し送りの準備をしっかりすることで、アセスメント能力を身につけた思い出があります。
これまで「申し送り」は、”患者のことを知る”という技術を獲得するための教育ツールにもなっていました。
「申し送り」廃止に伴い、申し送りをしたことのない世代が増えて、患者の状態把握が十分にできない看護師ばかりにならないか心配です。
時代に合わせて、看護師教育方法も変えていかないといけませんね。
申し送りはいらない!‖まとめ
「申し送り」を廃止して感じたメリット・デメリットについて紹介しました。
筆者の職場では、「申し送り」を廃止して、2ヶ月程度なので、まだまだ試行錯誤中です。
結果的に、「申し送り」を廃止して大成功!!
今後の動向もまた報告していきたいと思います。
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